« カレン・カーペンター Karen Carpenter | Main | 冗談音楽 »

September 27, 2004

SF効果音 レトロ篇

sprv2.jpg
SF映画などの効果音というのは一般的に「自然にありえない音」を使うことが多い。今でこそ、シンセサイザーという魔法の小箱があるが、昔はいろんな人が「ありえない音」を作るために数々の努力をした。

扇風機に向かってしゃべったり、胸をこぶしで細かく叩きながらしゃべった思い出はないだろうか?その際の決まり文句が「われわれは宇宙人だ。云々」であることが多かった(苦笑)。その安易な内容(昔から発想が貧困だったのだ。申し訳ない)は置いておいて、これもありえない音をだそうとした子供ながらの工夫。今であれば、ハーモナイザーを始めとしていろんなアタッチメント類でいとも簡単に加工できる技術の最も原始的な方法だ(笑)。

実際の宇宙空間には空気がないというのは広く知られた事実である。私の好きな生福の『FLY AWAY SPACE SHUTTLE』という曲では、「宇宙にゃあ空気もねぇが・・・・・・なぁに、度胸一つで何とかなるさ!」と言っているが度胸でなんとかなれば誰も苦労はしないだろう(笑)。ただ、映画などで宇宙空間を映している間はずっと無音・・・・・・。これは退屈極まりない。そこで宇宙を表す音の「文法」がだんだん確立してくる。

宇宙は広い。広いということは残響が響くのでは・・・・・・という発想なのかどうか知らないが、昔のSFの効果音のキーワードは「リバーブ」と「ディレイ」だ。「リバーブ」は風呂の中や体育館などで経験する残響、「ディレイ」は元音を繰り返すやまびこのことだ。漂う感じもあったからというのもあるのだろう。テルミンや元の音を加工して、何の音か分からなくした音にディレイやリバーブをかけて、宇宙音の一丁あがりだ。

当時のリバーブはバネを利用したスプリング式のリバーブが使われていた。これは大きな部屋を用意したりスプリング以前の鉄板リバーブに比べて、遥かにコンパクトで残響がコントロールしやすいアタッチメントであったために急激に普及した。

ただし、スプリング式リバーブの弱点は衝撃を与えると音がぐちゃぐちゃになることである。もっともそれを逆手にとって爆発音をだすこともできた。ディープ・パープルのジョン・ロードはオルガン・ソロの最後にハモンド・オルガンを傾けて揺り戻し、爆発音を出したりしている。ハモンド・オルガンに組み込んだスプリング・リバーブが衝撃で揺れて爆音を出すというパフォーマンス込みの技だ。

また当時のディレイはテープ・エコーとも言って磁気テープを使用した機械だった。テープレコーダーの原理の応用で録音した音を複数のヘッドで時間差で再生することによって、やまびこの効果を出していたのだ。ディレイ・タイムはテープ速度で可変して、またヘッド間隔の調整で2回目、3回目とやまびこが鳴る間隔を不規則にもできた。このテープ・エコーもスプリング・リバーブも次第に今の電子式のアタッチメント類に代わられていく。

SF効果音の中には、元音が想像できてと困り物だったりするものもある。昔、『キャプテン・ウルトラ』という宇宙を舞台にした特撮TV番組があった。冨田勲のオープニング曲のイントロが緊張感をあおって(特にピッコロのアレンジ)かっこいい曲だったのだ。その曲のサビ部分の前で「3・2・1・0」と来て宇宙船の噴射音があるのだが、今聴くとどうも多分・・・・・・水洗便所の水を流す音(苦笑)。当時(1967年)は全国的に水洗便所自体珍しいものだったし、まさかそういう音が使われてるとも視聴者は想像しなかったのもあるだろうが、今聴くといろんな意味で感慨に耽ってしまう(笑)。

レトロ風味あふれる簡単なSF効果音をひとつ。オルガンの高音部分の隣り合わせの鍵盤、例えばFシャープとGを同時に押す。たった2フィンガーで大昔の光線銃や空飛ぶ円盤が飛行しているらしき音が出る(笑)。空を指さして「あ!空飛ぶ円盤だ!」と言えばさらに効果的(苦笑)。

ちなみに1970年ごろでも、まだつかみ合いの乱闘シーンはドラム・ソロのBGMが使われていた(例:『謎の円盤UFO』)。さすがに今のドラマでやると笑ってしまうのだろうけど、昔から定番の手法だっただけにいつ頃から無くなったのかちょっと興味がある。

なお、このレトロ篇に対しての現代篇は予定していない(笑)。

|

« カレン・カーペンター Karen Carpenter | Main | 冗談音楽 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/53033/1536942

Listed below are links to weblogs that reference SF効果音 レトロ篇:

« カレン・カーペンター Karen Carpenter | Main | 冗談音楽 »