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October 05, 2004

先人の知恵

3人寄れば文殊の知恵とは言うが、人の話を聞く機会が多いと人の数だけ知恵はあるものだなあと感心することが多い。人ひとりが経験できることは、生きている年数が少なければ少ないほどたかだか知れているし、また見過ごしていることも少なからずある。自分にとっては、人との交流や本や映画や音楽などを見聞きすることが大切な智の栄養源となっている。

先日、友人に薦められて『山寺宏一のだから声優はやめられない!』を読んだ。『フルハウス』や『宇宙船レッド・ドワーフ号』等で声を当てている山寺宏一がホスト役の対談集だ。

この中で1番最初に大塚周夫・明夫親子がゲストの対談があり、大塚周夫(チャールス・ブロンソンなどの声を当てている人)の言葉にいろいろと感銘をうけた。引用しながら紹介したい。


・劇団に10年いると、とりあえずみんな役者にはなっちまうんだよね。でもある一定レベルまでくると感性が必要になってくる。


・やはり(相手と)火花を散らすって大切。ただスケジュールどおりに行って、決められたセリフをしゃべって、本数をこなすだけじゃ(だめなのではないか)。


・常に10年先を見て進まなきゃ。10年先を目標に持って、自分を少しずつ高めていく必要があるんじゃないの。


・客観的に自分の日常生活を見ていないとダメ。僕の中にはどんな人間がいるのか、日々研究していないと(自分のなかにあるものを引き出せない)。


・体験や想像力がものをいう。強烈なニオイを持った人がいたら、それを自分なりにアレンジして表現すれば、その人なりの味が出てくると思う。


・全体のニオイで、このドラマは客に何をぶつけるかというのをつかんでいくのさ。それと自分が何のために出てきたのか、ガッチリとつかんでおくこと。たくさんあるセリフの中に必ず自分が起用されたポイントがある。これはヤマです。このポイントだけは外さない。

大塚周夫の役作りに対する真摯さが伝わってくる言葉ばかりだが、声を当てる以外にもいろんな事にもあてはまることだと思う。

感性の大切さはなかなか訓練では身につけにくいものだが、自分が伝えたいことの精度を上げていくためには必ず必要になってくることだ。パーカッションなんかだと、どこでどの楽器をどのように入れるかということについて自由度が高いことが多いだけに、逆にセンスが問われることが多い。そのためには自分の引き出しを多く持つことが一番の早道だと思うし、自分がなにができて何ができないかを客観的に知っていないと、自分のベストのものを見せることは難しいだろう。

もちろん一朝一夕になんでも身につくわけではない。というか、多分一生身につけられないものの方が多いと思う。ただそれについて、All or Nothingで考えることはないと思う。今日より明日、明日より明後日と日々自分にフィード・バックをかけながら、進歩していけば途中で壁にぶつかりながらも時間が味方してくれると思う。短い期間で自分に「なんで、これができないんだ?」と思うのはある意味うぬぼれかもしれないし、長い時間をかけてものごとを見なければいけないこともあると思うのだ。

ということで、どんどんとやりたいことと課題を増やしながらも、「明日はもっといい日にしよう」とお気楽になれるのもパーカッションだから・・・・・・かな?(笑)




山寺宏一のだから声優やめられない!―声優・山寺宏一と30人の声の役者たち
山寺宏一のだから声優やめられない!―声優・山寺宏一と30人の声の役者たち

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Comments

サンタパパさま

> 感性の大切さはなかなか訓練では身につけにくいものだが、

ボクは適切な訓練を重ねないと感性は鋭くならない、と思っています。「どうしてだ?」と言われると説明に困りますが(笑)、経験上演奏技術が向上するのに伴って音楽に関する感性は鋭敏になってきたように思います。

アップライトのベースを弾いているせいかもしれませんが、リズムについても、音程についても自分である程度コントロールできるようになってからのほうが微妙な違いに気付くようになった気がしています。

ベースも比較的自由度は高いので(ハメる所さえハメてしまえば)後は何とでもできると思いますが、結局のところ、自分がどれだけのことをできるのかを把握して、その範囲を広げる努力を続けないと、本来自由であるハズの「間」を思うようには埋められない(「埋めない」も含めて)、自由な空間を自由には使えないんじゃないかなと思っています。

そういうことから考えて、適切な訓練を伴わない「感性」は、甚だ心許ない、信用できないものというのがボクの持論です。もっと言うとメカニカルな基礎練習をバカにして、オレには感性があるからとか言い出すヤツは信用しちゃダメ、かな。乱暴な言い方をすると「できないことがある(=できないと認識した)なら、練習しなくちゃダメに決まってるじゃん」です(笑)。

ま、演奏すること自体が楽しいことですが、できることが増えればもっと楽しいし、練習もそのためのプロセスだと思えば(なかなか思えないけど(笑))、「必要悪」といった程度のものではなく、もっと価値のある、自分にとって意味のあるものになるかなと思います。

Posted by: ひづくり | October 06, 2004 at 12:06

>ひづくりさま

私の文章が非常に稚拙なために、意図しているところが分かりにくい文章になって大変申し訳ありません。

「感性の大切さはなかなか訓練では身につけにくいものだが」というのは、「(大塚周夫のレベルで)ある一定レベルまでくると感性が必要になってくる。」という上においての言葉です。また、「身につけにくい」のであって、「身につけられない」とは書いていません。そして、「訓練」とは文脈から言って「感性を身につける訓練」をさすつもりで書いています。

つまり、ひづくりさんが書いておられることは当然大前提においての話のつもりで書いていました。今一度、読んでいただければいただければと思いますが、そのあたりを分かっていただけなかったのは私の稚拙さと不徳といたすところですので、以後研鑚の上、自分でできうる限り気をつけようと思いますのでご容赦いただければ幸いです。

私は訓練によって感性を身につける方法は(私の苦手とする)人づきあいなどと一緒で、いくつかの方法はあれど確固としたメソッドが確立している部門ではないと思っていますので、逆にひづくりさまがお知りになっておられればご教授いただければ大変嬉しく思います。

Posted by: サンタパパ | October 06, 2004 at 22:27

毎度お邪魔します。大塚さんと言えば私たちの年代では「チキチキマシン猛レース」の「ブラック魔王」役が強烈に印象に残っていますね。最近では美味しんぼの「海原雄山」とか。登場人物の強い個性に負けない声を出せる職人芸は、こういう日々の鍛錬の賜物なんでしょうか。山寺氏の著作探して読んでみたくなりました。

Posted by: ゆうけい | October 07, 2004 at 08:52

>ゆうけいさま

こちらこそ、いつでも来てください^^。

ブラック魔王!!なつかしいです。好きでしたよ。以前コンビニアエンス・ストアで売っていた500円の「チキチキマシン~」のDVD、思わず買いましたよ!
ブラック魔王(笑)という分かりやすさもいいですが、いつも失敗ばかりですごく同情してました。思えば大塚周夫さんのおかげで、当時からダーク・サイドに引かれていたのかあ(笑)。

Posted by: サンタパパ | October 07, 2004 at 22:46

TBありがとうございます!うーん深いお言葉ですよね。
これって結構いろんなことに通じるしうんさすがベテランの言葉は重みが違う。特に「たくさんあるセリフの中に必ず自分が起用されたポイントがある。これはヤマです。このポイントだけは外さない。」にはしびれました。(^^)

Posted by: tonbori | November 18, 2005 at 00:59

>tonboriさま

こちらこそコメントをいただきまして、どうもありがとうございます。
他のインタビューは普通に楽しめましたが、大塚周夫の言葉はひとことひとこと重みがあって、しびれましたよ。さすがプロ中のプロだと思います。さすがの一言です。

Posted by: サンタパパ | November 20, 2005 at 00:04

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