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October 20, 2004

『音を作る』

「音の仕掛け人」木村哲人の著書の一冊で1991年に出たものが、この『音を作る―TV・映画の音の秘密』(筑摩書房)だ。氏の著書の中で効果音についての著書は2冊刊行されているが、そのうちの一冊。この本を読んだのがきっかけで、三谷幸喜が『ラヂオの時間』に効果音のエピソードを盛り込むことになったそうである。

この本では3つの章に分かれていて、第一章が「効果音はこうして作られてきた」という題で、効果音の簡単な概略史。イラストも添えてシェークスピアや歌舞伎などに触れて、音響効果とその発達について分かりやすく述べられている。

第二章の「「音の仕掛人」はこんなことをする」では、いろいろなエピソードを織り込みながら具体的な音作りに触れている。効果マンにとっては一番興味深くまた面白い部分だ。系統立てては紹介されていないが、面白い顛末について書きながらかなり具体的に書かれている。また、いろんな道具の写真も白黒ではあるが載っている。溶岩の音や、拳法映画の効果音、戦争の効果音などが紹介されている。また、一般的な河、海、雨、風などの音のいろいろについて書かれているのが興味深い。音響効果用の特殊な道具が必要なものの多いが、ヒント集として使うことも考えればかなり実用性の高い部分だ。

第三章は「おとにまつわる奇妙な話、こっけいな話など」という題で、現場でのいろいろなエピソードをを中心に楽しい読み物になっている。最後に数行ずつまとめて書かれている「いろいろな音の作り方」はランダムに多岐に亘っていて、まさにヒント集のような構成だ。興味のある向きもおられると思うので列挙するとこうだ。

  破壊音・火事の音・雪崩・水中の音・鳥の羽ばたき
  なぐる音・生理的な音・スキー・引き戸・小判の音
  銃の発射音・魚のはねる音・木を引きぬく音
  笛で作る音・水と湯の音は大ちがい・食事の音
  空手の音・毛を剃る音・象の足音・ワニと恐竜


読みやすく、また普段見ることのできない世界を垣間見せるので、音を作る目的でなくても読み物としても面白い。かつては、この本を元に書き直した文庫も出ていたそうである。効果音入門書としてもいい本だと思う。

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