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October 26, 2004

びいどろ Vidro

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「ビードロ」、「ポッペン」とも言う。切手の図案にもなった喜多川歌麿の浮世絵の「婦女人相十品 ビードロを吹く娘」や「当世好物八景 さわぎ好」で見たことがある人も多いだろう。ビードロというのはVidroというポルトガル語から来た言葉で、室町末期から江戸時代にガラスのことを指した。ポッペンというのは文字通りびいどろが出す音からついた名前だ。

丸型のフラスコを小さくして口を細く長くしたような形で、球形の部分には装飾のためにさまざまな文様を施している。細い管の口から息を吹き込むと、板バネのように弾性のある底の薄く平たいガラスが押されて「ポコンッ」と音をたてる。そのまま息を抜くと、元に戻ってまた「ペコンッ」。昔駄菓子屋にブリキのセミのおもちゃに板バネがついたものがあったが、それを指で押していたのを別にすれば同じようなものだ。これだけの本当に他愛もない遊びだが、不思議と飽きずに何度も息を吹き入れる。

歌麿が浮世絵に描いた頃は、びいどろがちょうど流行していた頃らしい。また、いつからか正月に吹いて一年の厄を祓うというおまじないにもなったそうである。江戸時代にはガラス工芸品は珍しく、また他にあまり見ない硬質な音が出ることから珍重がられたのであろうということは、容易に想像がつく。

今では物珍しくもないからだろうがすっかり知る人も少ない音だが、長崎あたりではみやげ物屋に置いていたりする。ひっそりと受け継がれていく音なのかもしれない。

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