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February 14, 2005

反響 echo

昨日のエントリーでやまびこについて軽く触れたが、音の反響という現象が山でおこったものがやまびこである。

英語ではエコー(echo)というが、エコーというのは元はギリシア神話のニンフ(女性の精霊)の名前からとられているらしい。エコーは女神ヘラの夫ゼウスの浮気の現場を押さえるのを度々妨害したので、ヘラによって耳にしたことばを繰り返すことしかできないようにされた。その後にエコーは美少年ナルキッソス(ナルシストの語源)に恋したが振り向いてももらえず、身はやせ細ってついには声だけになったという話が伝わっている。

音の性質のひとつに反射というものがあり、また音は空気中であれば概ね340m/s(温度に左右される)という速度であるために、仮に約170m離れた場所で音が反射して戻ってくると、約1秒後に発した音が音源に返ってくる計算となる。

現在では電気的にこの反響を作り出すことができて、ディレイ(delay)と呼ばれている。この装置についても以前少し触れたが歴史があって、初期のものは磁気テープの録音再生を応用した「テープ・エコー」というものが主流であった。要は入力から入った音を録音して複数のヘッドで即座に再生すれば遅延した音が出るという仕組みである。テープ自体をループにしておいて録音ヘッドの直前に消去ヘッドを置いた形で可変速できるテープ・エコーは初期のアタッチメント類の中ではよく使われた。今ではS/N比(SignalとNoizeの比率)がよくないのと、本体が機械式で大きく回転部があるので故障の可能性が電子機器に比べて高いこと、ヘッドのメンテナンスが必要で、ヘッドもテープも磨耗するので滅多に用いられることはない。ただこの方式の優れている点は、ヘッドの位置を任意に設置できるので遅延する間隔が一定でないようなエコーも可能であった。

1980年前後には電子的にBBD素子を使ったアナログ・ディレイがこれにとって代わられる。BBDというのはBucket Brigade Deviceの略で要はバケツ・リレーのこと。音をクロックパルスのタイミングで次の素子に渡すということによって遅延させるという原理だった。

その後、音をデジタル的にメモリーに入れて任意のタイミングで読み出す方式を用いたデジタル・ディレイが登場して、現在は音のよさと便利さからこれが主流になっている。

なお、教会やお堂やホールなどの残響はこの反響が短く複雑に混ざり合ったもので、電子的にはディレイの応用で作られる。


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Comments

エキブロからこんにちわ♪
山彦というとのどかですが、ディレイというとかっこいい。つうか、当家は山の中なので、麓からえっちらおっちら登って来るコープの宅配も廃品回収も焼き芋屋も、すべてそのテープにはディレイ効果がかかります。
そこにすれ違いざまのドップラー効果もかかるので、そういった音はなんとも面妖に響き渡るんです。夏など窓を開けているのでわらび餅の声がうるさいです。冬は焼き芋屋に走る際、位置測定に時間がかかります。

Posted by: acoyo | February 15, 2005 at 16:52

>acoyoさま
エキブロからいらっしゃいませ♪
山彦ってのどかですけど、よく考えたら「こだま」も「やまびこ」も新幹線に使われてますね。なんでだろ?
うちの近所も山と建物のせいか、変な感じにディレイがかかりますね。「位置測定に時間がかかる」のは非常に身につまされるので、思わず笑ってしまいました。ありますよ、それ。
そういえば、昔高橋幸宏が「白銀は招くよ」をカバーしてて、曲中でエコーかけて「おー、やっほー」って歌っていたような(^^;。

Posted by: サンタパパ | February 15, 2005 at 22:44

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