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February 15, 2005

切り火

kiribi
一昨日のエントリーから派生したエントリーだが、いずれ触れようとしていた話題でもある。時代劇などで見かけたこともあると思うが、出がけに安全祈願のおまじないに火打石を打ちつけて火花を出す行為を「切り火」という。

古来から火を起こすには木と木を摩擦させたり、また文明が進んでからはレンズや反射鏡で集光することなどが行われたが、珪酸を多く含む硬度の高い石と石を打ち合わせて火花を出すことも広く行われていた。言わば今のライターに近い原理だ。

最初のうちは石と石を打ちつける方式だったが、やがて、火打石(ひうちいし)に対して火打金(ひうちがね)の金属部分を打ちつけて出た火花を火口(ほくち)に移し、その種火を付木等に移す方法に変わっていた。火打金は鋼鉄に木の持ち手をつけたもので火打鎌と言われるものもある。火口は朽木などの炭を粉末にしたもので燃えやすくできていて消耗が早い。古来の日本ではこの3点セットで火をを起こすのが、マッチが普及するまでのスタンダードな方法であった。また携帯に便利でこの3点セットを入れたものを火打袋と呼ぶ。

冒頭でも述べたように切り火は安全祈願のおまじないだが、おそらく火が物を浄化するということからきたおまじないであろう。切り火の際には実際に火をつける訳ではなく音と火花を出すだけなので、火口は使わず火起こしの時とは持ち方が逆になるそうだ。日本の伝統を大事にする職業や縁起を担ぐ仕事、例えば職人、落語家、花柳界や芸能界では今でも切り火を行う人がいるそうだ。

実際に打って音を出してみると、なるほど、なんとも言えずしゃきっとするような気になるから不思議だ。ちなみにヒタキという鳥は「カッカッカッ」と鳴く声が火打石に似ていることから名づけられたという。

マッチ箱のサンバの時にもマッチを平素あまり見かけなくなったことを書いたが、火打石に至っては仏壇仏具店にでも行かなければなかなか見かけることがない。興味のある向きには、一度お手をとってみられることをお薦めする。


火打石の栞


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Comments

銭形平次のおかみさん(お静さんだっけ?)が、「あ、おまいさん」と呼び止めて。もちろん平次は大川橋蔵さん。

なんとか回復して、仕事にいけそうです。自分で自分に切り火。いいお話とお写真、いつもたすけられてるなー。

Posted by: おりがみ | February 16, 2005 at 15:57

>おりがみさま
お静さんですよね。
お前さんじゃなくて、「おまいさん」って言い方、風情があっていいです。
私こそいつもおりがみさまのblogとコメントに癒されています^^。お礼を込めて、明日の朝はおりがみさまのために切り火をしますので、心を澄ませて聴いてくださいね。
「お気をつけて。いってらっしゃい」

Posted by: サンタパパ | February 16, 2005 at 21:10

切り火ってね、かっこいいと思うんです。
「あなた、気をつけていってらしてね」より、
「おまいさんっ」でカチカチがいいなあと。

そうそう、こっちに書いてなんですが、
先日の私のエキブロのメモ記事へのコメント
お返事書いておきましたので、
(ゴメンンサイ、気づくの遅くて)
お暇なときにお読みくださったら嬉しいです。

Posted by: aco | February 17, 2005 at 21:01

アコースティックギターと「切り火」だけの音楽って、いいかもと思ってしまいました。
火打石で、チャッカッチャチャッカッチャってやりながら。

切り火演者は大火傷、お店は消防法違反などの高いハードルがありそうですが…。

Posted by: belltone | February 17, 2005 at 22:14

>acoさま
あっしも古い人間なんで(「クラシックなヤツだよなあ」と呼ばれたいタイプ)風情、粋、鯔背なんてものが好きでございます。で、用もないのに欲しくて買ったのが写真の火打石です(^^;。
コメントの件、お気遣いすみません。そうでなくてもいつもお世話に名なりっぱなしですし、お気になさらずに。

Posted by: サンタパパ | February 18, 2005 at 00:22

>belltoneさま
それはいいかもしれませんね。今度共演しましょうか?
火花が出るだけなんで火事の心配はほとんどないのですが、うまく打たないとすぐ石が欠けちゃうのと、握る手が疲れるので1曲通す自信がないです(笑)。ちなみに、買って一番最初にラテンの基本、クラーベのリズムで叩いたのはもちろんです。

Posted by: サンタパパ | February 18, 2005 at 00:25

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