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March 22, 2005

『楽器の音色を探る』

1978年に中公新書から出ていた楽器の音色を物理的に探求した研究書である安藤由典の『楽器の音色を探る』(中公文庫)。一般向けに書かれた研究書としては極めて珍しい本である。

第一章「楽器音研究のはじまり」では、当時電子音楽にかかわった経験からまず音の成り立ちを解説して、スムースに入り込めるようになっている。第二章「楽器音を測る」では、何を計測するかを見ながら楽器音の特徴について解説、主な楽器の特徴に触れている。第三章「楽器の構造と音色の関係」では、主に管楽器の構造とその音色の関係について書かれている。

第四章「バイオリンの秘密」、第五章「フルートの魅力」では、代表的な2つの楽器について、豊富な実験データを見せながら音の本質に迫っていく。特に第五章の中で「フルートを鳴らす条件」として書かれているものは、リードの無い楽器であるフルートを鳴らす上において素人目になかなか判りやすい。また当時、ランパルとシェファの音を解析しながら何がどう音に影響を与えて行っているかを解説している部分は、非常に興味深いものがある。

、第六章「日本の笛」は第五章の延長上にあり、日本の笛ならではの特徴に触れている。第七章「美しい音への挑戦」では、リコーダーに触れつつ今後の展望を語る賞になっている。

もう四半世紀前に出た本ではあるのだが読みやすく判りやすい上に、他に類する本をなかなか見かけないので、現在は絶版中のようだが再販を望みたいものだ。また、これ以降の研究成果などを知ることができれば嬉しいと思わせる本である。


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Comments

面白そうだなあと思ったら、絶版ですかあ……。
新書は便利なんでよく読むんですが、
すぐ絶版になるのが困りものですね。
だもんで、つい買ってしまいます。
切れたら読めない、と思うもので。

Posted by: acoyo | March 25, 2005 at 16:05

>acoyoさま
ブルーバックスならともかく、一般の新書では珍しい本なんですよ。普段気にしていない、楽器の音の秘密が書かれている隠れた名著です。検索してみたら、読みたい人も多いみたいです。
新書に限らず本やレコードは絶版というのが一番悲しいです。だから見た時に買わないとといつも思ってしまうんですよね。
SocksのCDもとうとう絶版で店頭分(あるのか?(^^;)だけだそうです(涙)。

Posted by: サンタパパ | March 25, 2005 at 23:47

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