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September 06, 2005

『惑星』冨田勲

このシリーズで冨田勲について書くのは『月の光~ドビッシーによるメルヘンの世界』に続いて2度目になるが、このアルバムについてはどうしても触れておかないといけないだろう。

1974年に『月の光~ドビッシーによるメルヘンの世界』を手がけた後は、ほぼ年に1枚のペースであの家内製手工業的に綿密に作られたアルバムを年に1枚のペースで出している。2枚目は1975年にリリースされたムソルグスキーのピアノ組曲『展覧会の絵』を冨田勲なりの解釈でアレンジした『展覧会の絵』。前作にも増して音色の煌びやかさや重厚さが確実に増している。

1976年にはストラビンスキーのバレエ組曲『火の鳥』をアルバム・タイトルにして、ドビュッシーの『牧神の午後への前奏曲』、ムソルグスキーの交響詩「はげ山の一夜」といった前2作のでも手がけた作曲家による曲の詰め合わせになっている。ここまでの選曲を見ても、ストラビンスキーの『春の祭典』で音楽にのめりこんだ冨田勲の、色彩溢れるオーケストレーションをイメージしていたところが判って興味深い。この『火の鳥』での「カスチェイ王の魔の踊り」などのダイナミクスと緩急溢れる多重録音を、アナログ・シーケンサーしかない時代にmoog IIICを中心にした機材で手作業で作っていたことは敬服に値するし、脱帽する以外ない。ちなみに『火の鳥』のレコードのジャケットのイラストは手塚治虫の手によるものだそうだ。

そして1977年にリリースされたホルストの組曲『惑星』。1934年に亡くなったグスタフ・ホルストの手による占星術から着想を得た曲で、録音当時はまだ著作権が生きている時代であり、作曲者自身により組曲の1部演奏や編曲などの改変を許さない由の遺言があったそうで、遺族との交渉でようやく出る運びになったそうだ。この時にはRolandからMC-8というデジタル・シーケンサーが出た頃で、飛躍的に作業効率は上がりより複雑なことができるようになってきた。この『惑星』は巷でも大ヒット。シングル・カットまでされたから3年前にはとても考えられなかった状況である。

この後も1980年代前半まで、冨田勲の多重録音によるクラシックのアレンジ・シリーズは出たのだが、最近ではまた作曲活動をやっていて、それはまた氏の曲のファンにとっては大変喜ばしいことである。


惑星
惑星


展覧会の絵
展覧会の絵


火の鳥
火の鳥

ロバート・A・モーグ博士を偲んで


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