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November 20, 2005

『内容の無い音楽会』生福

毎度、変なアルバムの紹介で申し訳ない(笑)。

以前にもちょっと紹介したが、1988年に出た全編パロディのCD。当時、キーボード・マガジンの読者であればよく知っていた、生方則孝と福田裕彦のそれぞれの頭の漢字をとったユニットで、シンセサイザーの音源ROM(昔は各社独自のRAMカードが外部記憶で、ROMカードが音源供給源だった)も生福ブランドのものが出ていた。私は、KORG M1用のものを買ったのだが、「IFUKUBE」など実用を考えずに凝ったサウンドなどもあり(笑)、非常に気に入っている。その彼らが作ったアルバムが、もちろん通り一遍のものになろうはずがない(笑)。

曲目は以下の通り。

1.内容の無い音楽会(テーマ)
2.軍艦行進曲(フュージョン・バトルシップ)
3.交響曲第40番ト短調K.550(パンクのモーツァルト)
4.Come Back Baby
5.うっちゃれYOUR LIFE
6.孤高のパーカッショニスト
7.FLY AWAY SPACE SHUTTLE
8.酸素でルルル
9.うまかろう君
10.父
11.47歳の地図
12.クリス先生のワンポイント英会話
13.戦場の盆踊り

アルバム・タイトルにもあるように、「内容の無い音楽会」という架空の番組の形式をとっていろんな音楽を紹介している。また、中には6、10、13のようなコント、そして9のような音楽ドラマも入っている。

1.内容の無い音楽会(テーマ)は番組のテーマ曲。ハプシコードによる「でんでらりゅう」みたいなテーマ曲に乗って、司会の繭津葉藤四郎が登場する。

2.軍艦行進曲はアンドロメダという超絶技巧フュージョン・バンドによる演奏。メロディは軍艦行進曲だが、どこぞの有名超絶技巧フュージョン・バンドみたいに、キメとコード進行がややこしい(爆笑)。じつにこのパロディの仕方が巧みで最初からやられた(笑)。

3.交響曲第40番ト短調K.550(パンクのモーツァルト)はセクシー・ピストンズなるグループによる、歌詞も含めてまさしくパンクの演奏(笑)。

4.Come Back Babyはニューヨーク帰りのフォーク歌手、南室拓水の歌うヒップ・ホップフォーク。字余りな歌や歌詞などは、フォーク世代にはたまらないものがある(笑)。実はここで使われている女性1ショット・コーラスの音源は、CASIO FZ-1用に持っていたりする。

5.うっちゃれYOUR LIFEは東京重金属大学相撲部のメンバー、44メガトンの歌うヘビィ・メタル。おすもうさんらしい声色で相撲をテーマにした歌詞が面白すぎ。グターはもうフィード・バック、しまくりである。

7.FLY AWAY SPACE SHUTTLEは宇宙科学研究所所長の松の内均太郎による多重録音作品。いきなりテープのヒス・ノイズがでるあたりから笑わせてくれる。しかもタイトルに反して曲はまったくの演歌(笑)。歌詞は宇宙をテーマにしているが、「宇宙には空気もねえが、なあに、度胸ひとつでなんとかなるさ」って。なんとかなりません(笑)。

8.酸素でルルルは松の内氏の娘の岡井ワンナが歌う打ち込み系アイドル歌謡曲。このまま市場に出せるぐらい完成度が高い曲。ありそうな恋の曲なのに、サビの「酸素でルルルル、水素でシュルル、塩素でグモモモ、明日ならきっとあげられる」って歌詞がなんとも最高である(爆笑)。

9.うまかろう君は15分にもわたるゴジラをインスパイアしたラジオドラマ風の作品。ある日突然、「うまかろう?うまかろう?」と言いながらギターを弾いて迫りまくる謎の音楽獣が出現して世界中を暴れ、それに対抗する日本政府は国会議事堂前に特設ステージを設置、偉大なミュージシャンの霊をイタコによって降臨させて対決させるという物語。もうこれ、怪獣映画で育った世代には最高のパロディである(笑)。随所にそのスジをくすぐる表現がばら撒かれているのが楽しい。ジョン・ノレンの霊が「ヒマジン」を2小節しか歌えないのは著作権の関係というのは当時の慣例。双子の小美人が歌う「ウマカ~ロ、ウマカ~ロ、タンギヒキ~タヤ、ウマイ~」という曲がまた秀逸。しかもそこから「天国への階段」の最後につながるとは(笑)。福田裕彦がキーボード・マガジンに連載していたコラムで、大変期待してたゴジラがあまりにあまりの出来だったので辛らつな評を書いていたが、その思いがこのドラマに表れていると思う。

11.47歳の地図はもちろん尾崎豊のパロディで、サンプラザ中野が作詞、生福+氏木つよし、中崎英也、水谷公生が歌っている。

13.戦場の盆踊りは何のパロディが言わずもがなである。


1987年暮れに出た「キーボード・マガジン・プロフェッショナル」第2号に福田裕彦の手による「『内容の無い音楽会』製作ノート」が2ページにわたって載っていて、これがまたなかなか面白く、著作権の心配さえなければ全文引用したいぐらいである(笑)。

このCDも購買層が明らかに少ないので(苦笑)、ずっと廃盤になったままなのが実に残念である。


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Comments

うはは、これは聴いてみたいですね、中古ショップを探してみます。

「47歳の地図」って「私の青春を返せー」って曲でしょうか。たしか爆風スランプがセルフカバーしてたような。

Posted by: 猫パンチ | December 19, 2005 at 19:04

>猫パンチさま

これは好きな人にはめちゃめちゃ面白いですよ!買った当時は腹かかえて笑いました。そのうち、聞ける機会があると思います。

Posted by: サンタパパ | December 26, 2005 at 00:18

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はじめまして。「内容の無い音楽会」で検索して辿り着きました。只今、生方さんのサイトで同アルバムの再発売に向けて署名を集めているようです。よろしければ、お願いします! [Read More]

Tracked on December 07, 2005 at 22:28

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